それは全て、今日シャンを試験会場へと向かわせる為だ。
ゆうべ、シャンは『味見亭』で「明日試験行きたくな〜い」「どう考えてもムリじゃん」
「受かるわけないじゃん」「シュワシュワ無しで、会場に丸1日居られるわけないじゃん」
などと、あらゆるゴタクを並べていた。
「受かる・受からない」はどうでもいいのだ(いや、良くはないけど)。
とにかく「受けに行く」ということが大事なのだ。
朝6時、シャンにメールしてみる。「おはよ〜!起きとんかい?」
休みの日は必ず早朝に起きてシュワシュワ付きモ〜ニングへ行っているシャンのことだから、きっと起きてるだろうな。
シャン 「早っ! まだ寝てた。吐きそ〜〜〜〜〜 ポテ」
もか 「こら〜〜〜〜〜っ!」
その後、暫くメールのやりとりは続き、シャンはようやく重い腰をあげた。
なんとか行く気になったらしい…。
8時前、集合場所の「吉野家」へ。
せんさん、10、じょーも来た。これから戦うシャンの壮行会だ。
私は、別に食いたくもない「豚鮭定食」を490円も出して食った。
これも全てはシャンの為。

それから、まだ時間があるので近くの「ガスト」へ。
ここでも皆、別に食いたくもないモーニングを食べたり、コーヒーを飲んだりした。
これも全てはシャンの為。
試験に行くのにこれだけ皆が集まってくれるなんで、シャンは幸せ者だ。
頑張ろうという気持ちが湧いてきたはずだ。
シャン 「みんな、なんでそんなに張り切っとん?・・・ワシ行きとぉない〜〜〜!
絶対イヤや〜〜〜〜〜!ムリ!絶対ムリッ!!」
本人、やる気ゼロ。
往生際の悪いやつだ。でも私は絶対に試験に行かせる!行かせてみせる!!
シャンの受験票に「車で来てはいけません」みたいな注意事項が書かれてあった。

それを見たシャンは「あ!車で来たけん行け〜〜〜ん♪」
でも、せんさんが友人に頼んで、会場からはちょっと遠いが駐車場を確保。
よしっ!全ては完璧だ。 皆で店を出て、各自の車でまずは確保した駐車場へ。
そこへシャンに車を停めさせ、10がシャンを乗せて皆で会場へと向かった。
試験会場に到着。門の前で記念撮影。

まだグズっているシャンの背中を押す。
しぶしぶと、会場の中へ消えていく。

でもまだ油断はできない。ヤツは脱走を企てているに違いない。
だが、数分待っても出てくる気配は無い。やる気になったのか。
すると、門の前でやり取りを見ていた警備員のおじさんが
「会場の裏から抜け出して、あそこの茂みに隠れとるでー」と言うではないか!
私とじょー、10の3人で見に行くと、草むらに隠れて蚊に喰われているシャンを発見!
「こら〜〜〜〜〜っ!」と言うせんさんの声も響く。

「なんしょんじゃっ!はよ行かんかいっ!!」と、私たちはシャンを会場の中まで連行。
しぶしぶ階段を上るシャン。

そして、中に入って席に着くシャンを見届ける。

開始までまだ時間があるので油断できないと判断した私たちは、暫く見張っていた。
・・・やっぱり出てきた。ギクッとするシャン「ト・・トイレ行く」
トイレを済ませ、再度席に着き、暫くすると試験官が中に入った。
これでもう安心だろう。試験開始から少なくとも1時間は退出禁止になっている。
試験開始時刻は、10:00だ。
私たちは会場を後にした。
そして、じょーと私はうどんを食べに行った。
なんだかイヤな予感がした私たちは、うどんを食べたあと
シャンが停めてあった駐車場へ行ってみた。(11:00頃)

車が消えとる〜〜〜〜〜っ!! ヤツは逃げた!
すぐにシャンにメール 「逃げたやろ〜〜〜〜〜っ!!!」
シャン 「10分は頑張ったんで〜〜〜! 偉いっ!
汗まみれで歩いて車を取りにきた。30分いわん掛かったが〜〜〜」
全然反省の色ナシ。
逃げてしまったものは仕方がない。じょーと私は、シャンと待ち合わせてお茶することにした。
ここで小一時間問い詰めねばならない。
国分寺の「シカ」へ行った。

もか 「1時間出れんのとちゃうかったん?いったいどうやって…?」
シャン 「試験開始から10分後に手ぇ揚げて『ハイッ!気分が悪くなったので帰らせて下さい』ゆ〜た♪」
・・・・・・・・。知能犯だ。
その知能をなぜ試験勉強に費やさなかったのか・・・。
問い詰める気力を失った私は、今日のことは忘れようと思った。
店を出て、庭先にあったブルーベリーの実を泣きながらちぎって食べた。

ホンモノのシカも居た。シカも心なしか哀しげだ・・・。

今日のことは忘れよう・・・忘れよう・・・。
私は心にそっと鍵をかけた。
− 完 −
せんさん 10 シャンちゃん のブログ万歳参照!



